健康コラム

サプリメントとの正しい付き合い方

自分に必要な栄養を考えたうえ、体調や体質にあわせて摂ることが必要!

自分に必要な栄養を考えたうえ、体調や体質にあわせて摂ることが必要!

健康のために、サプリメントを利用している方は多いと思います。しかし、いくら体に必要な成分であっても、摂りすぎるのはよくありません。

健康のために、まず大切にすべきは、バランスの良い食事と適度な運動です。それが難しい場合に、摂るべき栄養を考え、自分の体質や体調に合わせて取り入れるようにしましょう。特に持病のある方は、症状や程度に合わせ、医師に相談したうえで、食事バランス・サプリメント・健康食品と付き合うことが大切です。

健康食品も過剰摂取はNG

食事と同じでサプリメントも摂り過ぎには注意!

栄養素は、本来は食事として、毎日少しずつ摂るべきものです。それを、サプリメントで一度に、大量に摂取することの善し悪しは、現時点では明確ではありません。食事も食べすぎが良くないように、健康食品も摂り過ぎると良くない効果がでることもあるので注意が必要です。

たとえば、血行促進の働きがあるといわれるビタミンEも、最近では、過剰に摂取すると、出血性脳卒中の発症率が高くなると報告されています。また、強い抗酸化作用をもつといわれるβ-カロテンについても、喫煙者の場合は、過剰に摂取すると肺がんの発症率が高くなることが分かってきました。

このように、今現在「○○に良い」といわれていても、今後の研究によって「良くない」という結果が出るなど、同じ成分であっても、時間の経過と共に、評価が変わる可能性もあります。また、摂りすぎた分は、ただ尿として排泄されてしまう水溶性のビタミンのように、多く摂っても意味がないということもあります。

過剰摂取はNG

たとえ食品であっても、摂りすぎれば特定の成分が過剰になり、体にダメージを与えかねません。特定の栄養素だけを抽出した錠剤・カプセル状の健康食品を使用する場合にも注意が必要です。錠剤・カプセル状の製品は、特定成分を効率的に摂取できるものとして選ばれることが多いですが、逆にいえば、特定成分を過剰に摂取する可能性も高いといえます。

普通の食べ物には、「味」「匂い」「量」があるため、飽きたり、満腹になったりと、多くの量を食べること自体が難しく、特定の成分を過剰に摂取することはありえません。しかし、味も匂いも量感もない錠剤・カプセル状はどうでしょうか。

多く摂りすぎたり、あれもこれもと何種類もの健康食品を併用すると、有害な影響を受ける量まで摂取してしまうことになるかもしれません。健康食品を利用する場合は、体に良かれと思ったことが、かえって体に負担をかけることになりかねないことを、心得ておきましょう。

健康食品の効果的な使い方

大切なのは栄養のバランス。健康食品は、不足分の補助として利用!

大切なのは栄養のバランス。健康食品は、不足分の補助として利用!

健康のための食生活で最も大切なことは、やはり栄養のバランスです。いくら体に良いといわれるものでも、それだけを食べて健康になることは、まずあり得ません。健康食品もそれだけに頼るのではなく、「不足しがちなものを補う」「体本来の機能を助ける」くらいの気持ちで、あくまでも補助的なものとして利用しましょう。

たとえば、トクホ(特定保健用食品)の「体脂肪がつきにくい油」は、食事の管理や運動を行うなど、同じ条件のもとで使った場合に、通常の油と比べて体脂肪がつきにくいというもので、けっして「いくら食べても脂肪がつかない油」ではありません。

「揚げ物を好きなだけ食べるために」という使い方ではなく、「油をトクホにするなら、摂る量自体も減らそう」「油をトクホにしたから、運動も始めてみよう」など、健康への意識付けのきっかけになるような使い方が効果的といえます。食生活や生活習慣がより良い方向へ動き出すようサポートすることが、健康食品の役割なのです。

Topics

「健康食品」と「サプリメント」の違い

健康食品

健康食品

健康の維持・増進のために用いる食材・飲料等を含む食品全般。

サプリメント

サプリメント

特定成分を濃縮したり化学的に合成したもの。健康食品の一種。

「健康食品」や「サプリメント」という言葉は、普段の生活でもよく使われていますが、その違いとはいったいどのようなものなのでしょうか。実は、いずれの用語にも、法的・行政的にはっきりした定義はありません。一般的には、健康の維持・増進のために用いる食品全般が「健康食品」であり、特定の成分を濃縮したものや、化学的に合成・強化したものが「サプリメント」と考えられています。

ちなみに、アメリカには「ダイエタリー・サプリメント」、ヨーロッパには「フード・サプリメント」と呼ばれるものがあり、「従来の食品・医薬品とは異なる分野の食品で、ハーブ、ビタミン、ミネラル、アミノ酸などの栄養成分を含み、通常の食品と混同しない形状のもの」として定義されています。

日本の場合、一般の消費者が認識している健康食品やサプリメントには、形状だけをみても、普通の食材から、菓子や飲料、医薬品のような錠剤・カプセルなどさまざまです。こうした状況を踏まえても、健康食品とサプリメントは別々のものというより、健康食品にサプリメントも含まれると考えられるのではないでしょうか。