健康コラム

生活習慣に合わせた食事のバランス

一人暮らしの人

一人暮らしでは、野菜不足や、脂質・糖質・ナトリウムなどの摂取過多に陥りやすいのではないでしょうか。厚生労働省では、1日に必要な野菜の量を350g(うち緑黄色野菜を120g以上、その他の野菜を230g)と推奨しています。

これは、両手に軽く山盛り1杯程度です。右表の100g当たりの目安量をご覧いただくと、より想像しやすいと思います。1日3食でこの量を摂取することは、それほど難しくないように思われますが、食事を抜いたり調理する時間がなかったりという理由から、一人暮らしでは特に不足してしまいがちですよね。

そこで、一人暮らしでも上手に野菜を摂るコツをいくつか紹介いたします。

野菜 100gあたりの目安量
にんじん 中1/2本
トマト 2/3~1/2個
ミニトマト 10個
ホウレン草 1/3把
ピーマン 中3個
カボチャ 中1/16(1/4の1/4)
ブロッコリー 大3房
たまねぎ 中1/2個
じゃがいも 中1個
もやし 1/2袋

電子レンジをうまく活用する

調理する時間がない場合、電子レンジをうまく活用するのは良い方法です。野菜の下ゆでから、調理まで簡単に短い時間でできます。加熱することでかさが減り、必要量を摂取しやすいというメリットもあります。
例えばカボチャの場合、種とワタを取り、食べやすい大きさに切ってからラップで包み500wで5分程度加熱すると下ゆで完了です。食べやすい大きさに切った後、耐熱容器に煮汁と一緒に入れて加熱すると、カボチャの煮物になります。これなら洗い物も減るので、一石二鳥ですよね。また、今では、電子レンジで魚が焼けたり、蒸し料理ができたりする調理グッズがたくさんあります。上手に利用して、栄養バランスのよい食事を心がけるようにしましょう。

冷凍保存をする

一人暮らしだと、野菜を買っても調理する時間がないために余らせてもったいなくなることもしばしばですよね。
最近は一人分にカットされた野菜もスーパーで購入できますが、そもそも買い物に行く時間が取れないという方や、節約をしたいという方は、休日にまとめ買いをして冷凍保存をしておくと、食べたい時に食べたい量だけ利用できて便利です。スーパーで売られている冷凍野菜を利用するのもよいでしょう。基本的な野菜の保存方法と、食べきる目安の日数を下表にまとめます。

野菜 保存方法 目安日数
ブロッコリー 小房に分け、固めの塩ゆでにし、冷めてから冷凍保存袋に入れるかバットに並べて保存。使用する際は、凍ったままでOK。 1ヶ月をめどに
使い切る
ほうれん草 さっと塩ゆでした後、冷水に入れ色止めをする。食べやすい大きさにカットしたら、ラップで個包装して、冷凍保存袋に入れる。使用する際は凍ったままでOK。和え物などにする際は、自然解凍かレンジで解凍するとよい。 1ヶ月をめどに
使い切る
オクラ 板ずりしてからさっとゆで、水分をとってから冷ます。1つずつラップで包み、冷凍保存袋に入れる。使用する際は凍ったままでOK。和え物などにする際は、自然解凍かレンジで解凍するとよい。 1ヶ月をめどに
使い切る
にんじん 茹でずにそのまま食べやすい大きさにカットして冷凍保存袋に入れる。汁物は凍ったまま、炒め物・サラダなどは半解凍させてから使用する。 1ヶ月をめどに
使い切る

また、一人分の料理をするのが面倒だと思われている方もいらっしゃるかもしれません。白ご飯をまとめて炊いて小分けにし、冷凍保存される方は多いと思いますが、シチューやカレーなどの煮込み料理、ハンバーグや焼き魚、フライやから揚げなども調理できるときに多めに調理しておき、冷凍保存しておけば電子レンジで加熱するだけで食べられるので、簡単です。前述の電子レンジと、冷凍保存を活用して、一人暮らしでも栄養のバランスが偏らないようにしましょう。

野菜ジュースでは野菜の代わりになる?

栄養のバランスは気になるけど、忙しくてバランスの良い食事が摂れないので、野菜ジュースで代用するという方も多いと思われます。では、野菜ジュースは野菜の代わりになるのでしょうか?

野菜ジュースは細かい定義がないので、栄養素摂取目的で選ぶ際は、パッケージに表示されている栄養成分表を確認することをお薦めします。また、よく「一日分の野菜を使用」という宣伝文句を目にすると思いますが、これは製品1本につき一日分の野菜=350gを使用しているという意味であり、製造過程で含まれる栄養素は減少するため、野菜そのものを食べる場合と比較すると摂取できる栄養素量は少なくなります。

例えば熱に弱いビタミンCや、飲みやすくするために減少させている食物繊維などの含有量が減少しています。そのため、あくまでも野菜ジュースは栄養補助食品として利用するのがよいでしょう。

生活習慣に合わせた食事のバランス